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ホットな話題コーナー

 

職務明確化の方法(3)

2021年05月12日

株式会社 みのり経営研究所
 代表取締役 秋山 健一郎

 

前回コラムでご案内したスケジュールに基づき、4月27日に「職務明確化の手法」の第1回セミナーを実施した。1時間の短縮版であったが、セミナー後のアンケートでの評価を見ると、手法のエッセンスはお伝え出来たようである。このコラムでまずセミナー前半部分を解説してみたい。

 

「職務明確化の方法」具体論に入る前に、最初の15分程「職務・役割を基にした人事制度の全体像」の説明を行った。HPに載せている下記「みのりコンセプト(1)総合的人的資源マネジメント」を使用して、人事制度の全体像を理解して頂くことが目的である。

 

みのりコンセプト

 

この図が職務に基づく人事制度の全体像である。人事制度は社員の処遇のための仕組みであるが、同時にその仕組みが会社の理念・戦略実現を支えるものであることが重要である。会社の事業と切り離したところに人事が存在するわけではない。会社の事業を支える人事制度を作る要が職務であり役割である(弊社では「職務」と「役割」を同じものとして扱う)。この図に表されているように、評価制度・給与制度・キャリアプラン制度等の基本的な人事制度は全て職務・役割を基準とする。日本的な人事制度における人事制度の出発点は「ヒト」であり、年齢・性別・能力と言った属人的な要素を基準として制度を構築しており、職務・役割に基づく人事制度とは基本的な構造が異なる。「ジョブ型雇用」を議論する際に、この基本的な構造の違いを理解していないと議論が成立しない。

 

人事制度は社員処遇の公正さを確保するものでなければならないが、そのよって来るところを「職務・役割」とするか「ヒト」とするかにより、ジョブを定義する意味合いが異なる。ヒト中心人事制度であれば厳密な定義は求められないであろうが、社員処遇の基準としてのジョブ定義であれば統一的な基準で公正さを確保するための厳密さが求められる。

 

ヒト中心の人事制度の場合「ジョブ」の定義から始まり、記述のルールの説明をすると、無駄なプロセスとして一蹴される。人事制度の基本を変えずに特定の職務に対してのみ「ジョブ型雇用」を導入するのであれば当然の反応である。しかし今回の「ジョブ型雇用」導入を機に、「みのりコンセプト(1)」に示すような機能的な組織運営のための人事制度への転換を考えるのであれば、「ジョブ」の持つ意味を考え直すところから始める必要がある。

 

以上を理解して頂いてから、職務明確化の方法の具体論へと説明を進めて行く。具体的な内容としては下記の4項目となる。

  1. (1) 職務とは何か?貢献責任という概念
  2. (2) 貢献責任抽出方法
  3. (3 )貢献責任記述の決め事
  4. (4) 貢献責任のクオリティーチェック

次回のコラムでは5月25日実施の第2回セミナーの反応も考慮しつつ「(1)職務とは何か?貢献責任という概念」を中心に説明してみたい。

 

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