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ホットな話題コーナー

 

「職務明確化の方法」

2021年02月24日

株式会社 みのり経営研究所
 代表取締役 秋山 健一郎

 

前回の新年のごあいさつで触れたように、ジョブ型雇用を進めるに当たってカギとなる「職務明確化」のやり方・進め方に関して説明してみたい。人事制度の根幹は職務にあるということは今まで折に触れ伝えてきた。職務を中心とする人事制度の概念図は弊社のホームページのみのりコンセプト(1)を参照して頂きたい。

 

みのりでは「職務」という言葉は使わず『役割』という言葉を使っている。これは従来の職務調査、職務分析という言葉に対する抵抗感を避けるためである。職務明確化の結果として、書いたものとして残すのが「職務記述書」あるいは「ジョブ・ディスクリプション」(みのりでは『役割記述書』)である。これらを作成するに当たっては「職務」「ジョブ」あるいは『役割』(以降「職務」と統一)とは何かを理解していることが必須である。伝統的な日本企業では「人が職務を作る」という言い方で、職務を融通無碍で何とでも解釈できる位置づけとしてきた。従って改めて職務とは何かと聞かれても明確な答は得られず、「職務記述書」の作成は困難を極めている。

 

みのりでは職務を目的・貢献責任・業務活動の三層に分け、職務記述書にはその根幹となる「貢献責任」を中心に記述することを推奨している。職務とは「全社戦略達成のために期待される貢献の集合」と定義し、一つひとつの貢献すべき内容を貢献責任と呼んでいる。この理解が職務明確化の出発点となる。どのような職務も存在する目的は分かり易いケースが多い。また日々の業務活動も朝の出勤から始まり(今はリモートでZoomの立ち上げから始まることが多い)、関係者との会議・連絡・調整・報告・帳票類の作成等々数え方にもよるが数百数千とある。一番重要なのはその職務の目的達成のために、日々の業務活動それぞれは何のために行われているかを考えることである。同じ会議に出る場合でも、その会議に出ることにより会社に対してどのような貢献をもたらすのかを意識したものでなければ、有意義な会議とはならないであろう。伝統的な日本企業ではこれを考えるのが社員の責任としていたが、人による差が大き過ぎた。それにもかかわらず共同体的な組織では、その差を能力評価で引き取るだけで、組織全体としてのアウトプット向上につなげるという発想はなかった。しかし職務に基づく人事制度あるいはジョブ型雇用を本格的に進めようと思えば、貢献責任を定義するのは会社の責任である。組織を機能的に運営するためには、組織構造を支えるそれぞれの職務にどのような貢献を期待するかを明示すべきであろう。

 

どのような会社にも、会社としての使命・目的がありそれを達成するための全社戦略がある。その戦略を効果的・効率的に達成するために組織とその構成単位としての職務がある。組織を設計するということは、それぞれの職務の貢献責任を定義することとも言える。一つひとつの職務は全社戦略を支えるという視点から、全社戦略の構成と同じ要素を盛り込んだものとすることを推奨している。会社として売上・利益はもちろんだが、顧客・外部ステークホルダーに対してやって欲しいこと、より良い製品・サービスを生み出すために、あるいは人財育成のためにやって欲しいこと等々、どのような職務であれそれらの領域で何らかの貢献を期待されている。それを明確化し文書化したものが「職務記述書」である。

 

以上の作業を進めるためにはいくつかの方法とルールがある。全社戦略に基づいたそれぞれの職務の貢献責任の領域を特定するやり方、組織の中のそれぞれの職務の貢献責任の配分の仕方、それを表現するときのルールなど。この基本さえ押さえておけば、それほど膨大な作業をすることなく、それぞれの職務が果たすべき貢献責任が明確となり、会社にとっても社員にとっても大きなメリットが生ずる。みのりコンセプト(1)にあるように、業績評価制度・給与制度の設計が職務に基づいたものとなり、全社戦略に基づいた整合的な運用が可能となる。出来上がりの職務記述書も使い勝手の良いA4一枚ものから作成可能である。

 

この方法とルールに関してこれからの説明の中心となるが、書いたものはかなりの量になり、理解しにくい部分も出てくることが想像される。従って試みとして、このコラムに書く前にZoomによる無料説明会を開催したいと考えている。2時間程度の説明で全体像を把握して頂き、その上で書いたもので検討頂く方が理解しやすいと考える。実際の案件ではまず面談で資料を使いながら口頭で説明、その上で具体的な実情に合わせ、具体的な進め方を提案していくという手順となるので、それに近い進め方をしてみたい。3月の早い時期を予定しており、決まり次第ホームページ上でお伝えする。ご興味おありの方は是非ご参加頂きたい。人数的には10-15人程度を想定している。

 

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